ERPもオープンソースの時代へ?〜Compiereの実力〜
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投稿日時 2011-1-4 15:00
ゲスト
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新年あけましておめでとうございます。jinro初投稿です。
私の会社は社員数500名程度、主にインフラを主力としERPや開発まで手掛けているSIベンダーです。
子会社は社員数50名程度、年商5億程度の小規模な開発会社でしたが買収に伴う親会社からの出向や業務統合により社員数、売上ともに急拡大し既存の業務パッケージでは対応しきなくなってしまい、基幹システムの入替が緊急課題となりました。
最も重要なポイントは個別案件ごとの収支管理と稼働状況の把握に置かれました。
親会社は10年来のSAPユーザなのでまずはSAPを検討しましたがライセンスのコストとアドオンの修正による内部コストが大きなネックとなり断念、各社のERPを調査しました。
最有力候補の「勘定奉行」は日本の商習慣に合った使いやすいパッケージでしたが個別原価管理を行うには別モジュールが必要でプロジェクト管理はさらに別会社のパッケージとの連携が必要となり最終的な導入コストは10名程度のユーザでもライセンスと導入費用だけで1500万円以上という試算になり断念せざるを得ませんでした。
もちろんEBSやInforを一から導入するのはSAP以上のコストがかかるため断念、OBIC7はプロジェクト管理が可能な製品をオールインワンパッケージで提供していましたが、やはりライセンスコストが高い上に作り込みもオービック社に依頼しなければならないため断念、ProActiveやSuperStreamは主に会計に特化しており、他の和製業務パッケージはいずれもプロジェクト管理機能が弱く帯に短し襷に長しの状況でした。
そうして最終的にたどり着いたのがアメリカCompiere社が主体のオープンソースERP「Compiere」でした。
「Compiere」はLinux、Windowsの両方のOS、DBはOracle 、Oracle XE、PostgreSQLに対応しており、受注、出荷、請求、発注、入荷、請求書照合、個別消込、銀行入出金、プロジェクト管理、キャンペーン管理、ワークフローなどの機能が標準装備されており、SAPでいうプラントや受注在庫の概念がないため複数原価を持たせることはできませんが、自動仕訳の仕組みもSAPとほぼ同じで一般的なサービス、流通業であれば十分に対応可能な機能を持ったERPであると言えると思います。
そしてコミュニティ版の「Compiere」をダウンロードし、OSはLinux、DBはOracle XEで構築すれば完全にライセンスフリーでこれらの全機能を使用することができます。
また高度で複雑な機能追加はJAVAで行いますが、IMGのようなカスタマイズ画面も用意されており、多くの個別設定はパラメーターで行うことができました。
最初の製作者はオラクル出身のドイツ人、すべてのモジュールをひとりでコーディングしたそうで、そのためSAPのようにモジュールごとに使用感が違うなどの違和感があまりありません。
プロジェクト管理については決済機能はないもののフェーズごとに受注登録を行い社内リソースをアサインしたり外注発注を行い損益集計を行うことができます。
「Compiere」を中心に周辺システムとSQL ServerのBI機能で連携させることによりプロジェクト別の原価管理機能とリソース別の稼働率管理機能を装備した販売・購買管理システムを2ヶ月間でカットオーバーさせることができました。
社内システムであったことを差し引いても、短納期で導入できましたし、若干の運用上の制約はある(セッション数が多いとパフォーマンスが著しく低下するなど)ものの必要な機能は網羅でき現在も稼動しています。
「Compiere」の事実上の日本総代理店となっているアルマス社へ意見交換に伺った際、「今後、固定資産管理の機能が実装される予定はありますか?」と質問したところ、エンジニアが少し憮然とした表情になり「機能がなければ自分たちで作るんですよ。それがオープンソースというもの。SAPとは違うんです」と言われ、カルチャーショックと小さな感銘を受けたのを覚えています。
これから業務をERPに合わせるのではなくERPを業務に合わせてコーディネートするのが当たり前、そんな時代の扉が業務とERPの両方に精通した真のコンサルタントたちによって開かれていくのかもしれません。
そしてオープンソースERPは間違いなくそんな彼らの選択肢のひとつとなっていくであろうという手応えを感じました。
長文・駄文失礼しました。
私の会社は社員数500名程度、主にインフラを主力としERPや開発まで手掛けているSIベンダーです。
子会社は社員数50名程度、年商5億程度の小規模な開発会社でしたが買収に伴う親会社からの出向や業務統合により社員数、売上ともに急拡大し既存の業務パッケージでは対応しきなくなってしまい、基幹システムの入替が緊急課題となりました。
最も重要なポイントは個別案件ごとの収支管理と稼働状況の把握に置かれました。
親会社は10年来のSAPユーザなのでまずはSAPを検討しましたがライセンスのコストとアドオンの修正による内部コストが大きなネックとなり断念、各社のERPを調査しました。
最有力候補の「勘定奉行」は日本の商習慣に合った使いやすいパッケージでしたが個別原価管理を行うには別モジュールが必要でプロジェクト管理はさらに別会社のパッケージとの連携が必要となり最終的な導入コストは10名程度のユーザでもライセンスと導入費用だけで1500万円以上という試算になり断念せざるを得ませんでした。
もちろんEBSやInforを一から導入するのはSAP以上のコストがかかるため断念、OBIC7はプロジェクト管理が可能な製品をオールインワンパッケージで提供していましたが、やはりライセンスコストが高い上に作り込みもオービック社に依頼しなければならないため断念、ProActiveやSuperStreamは主に会計に特化しており、他の和製業務パッケージはいずれもプロジェクト管理機能が弱く帯に短し襷に長しの状況でした。
そうして最終的にたどり着いたのがアメリカCompiere社が主体のオープンソースERP「Compiere」でした。
「Compiere」はLinux、Windowsの両方のOS、DBはOracle 、Oracle XE、PostgreSQLに対応しており、受注、出荷、請求、発注、入荷、請求書照合、個別消込、銀行入出金、プロジェクト管理、キャンペーン管理、ワークフローなどの機能が標準装備されており、SAPでいうプラントや受注在庫の概念がないため複数原価を持たせることはできませんが、自動仕訳の仕組みもSAPとほぼ同じで一般的なサービス、流通業であれば十分に対応可能な機能を持ったERPであると言えると思います。
そしてコミュニティ版の「Compiere」をダウンロードし、OSはLinux、DBはOracle XEで構築すれば完全にライセンスフリーでこれらの全機能を使用することができます。
また高度で複雑な機能追加はJAVAで行いますが、IMGのようなカスタマイズ画面も用意されており、多くの個別設定はパラメーターで行うことができました。
最初の製作者はオラクル出身のドイツ人、すべてのモジュールをひとりでコーディングしたそうで、そのためSAPのようにモジュールごとに使用感が違うなどの違和感があまりありません。
プロジェクト管理については決済機能はないもののフェーズごとに受注登録を行い社内リソースをアサインしたり外注発注を行い損益集計を行うことができます。
「Compiere」を中心に周辺システムとSQL ServerのBI機能で連携させることによりプロジェクト別の原価管理機能とリソース別の稼働率管理機能を装備した販売・購買管理システムを2ヶ月間でカットオーバーさせることができました。
社内システムであったことを差し引いても、短納期で導入できましたし、若干の運用上の制約はある(セッション数が多いとパフォーマンスが著しく低下するなど)ものの必要な機能は網羅でき現在も稼動しています。
「Compiere」の事実上の日本総代理店となっているアルマス社へ意見交換に伺った際、「今後、固定資産管理の機能が実装される予定はありますか?」と質問したところ、エンジニアが少し憮然とした表情になり「機能がなければ自分たちで作るんですよ。それがオープンソースというもの。SAPとは違うんです」と言われ、カルチャーショックと小さな感銘を受けたのを覚えています。
これから業務をERPに合わせるのではなくERPを業務に合わせてコーディネートするのが当たり前、そんな時代の扉が業務とERPの両方に精通した真のコンサルタントたちによって開かれていくのかもしれません。
そしてオープンソースERPは間違いなくそんな彼らの選択肢のひとつとなっていくであろうという手応えを感じました。
長文・駄文失礼しました。
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